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ヒサキヨウコさん_画像

造形作家
ヒサキヨウさん

聞く人:くまのわ代表 くろだ
場 所:ぷぺぽ編集室
​写 真:ぷぺぽ編集長 青山忍さん

日進市を中心に、親子向けの造形(アート)教室や、親子が気軽に遊びに来られるイベント「あそぼ!」を開催するなど、親子向けの活動を精力的に行なっているヨウコちゃん。足元は冬でも下駄。一見、ちょっと変わった人?と思われそうですが、お話ししているといろいろなことを「いいんじゃない」と受容してくれる懐の深さを感じます。

 

人はみんな多面的な顔を持っています。いつも陽気に笑っているヨウコちゃんにも、自分自身や育児のことで悩んだり苦しんだりしたことがあったんだそう。悩み事は尽きないけど、それでも前向きに生きよう、私も捨てたもんじゃないと思えるような、優しい言葉がきっと見つかると思います。

もくじ---------------------------------------

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読了所要時間:3分​ (目安)

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くろだ:普段の活動はどんな気持ちでやってるの?

ヨウコ:造形教室を始めて、みんなが教室で作る作品の見本を、うちの子に作ってもらうんだけど、私がこうするんだよって教えても子どもは違うやり方をしてるのを見て「大人はもう発達してるからできるけど、子どもはまだできないからこうやるんだ」って気付いたの。それで、教室でもみんなと違うやり方をしてる子はいるから、その子にお母さんが「こうだよ」って教えようとした時には「その子はそのほうが多分力が入るんだと思うよ」って伝えてる。そうすると「あ、そうなんだー」ってお母さんの力が抜けるじゃん。「うちの子はできない」じゃなくて「この子なりにちゃんとできてる」って受け止めることができる。そういうことを私は伝えたい。

くろだ:ちょっと目頭が熱いです。ごめんなさいティッシュを・・・(笑)

ヨウコ:(笑)今そんな感動する話だった?

くろだ:いい話だった(涙)子ども向けの造形教室だけど、お母さんに楽しんでほしいっていう気持ちでやってるんだね。

 

ヨウコ:そう、根底にはずっとそれがある。未就園児さんの親子向けでやってた時に、そこに来てくれてたあるお母さんに言われたことが忘れられないんだけど。みんながしてることをしない子だったから、お母さんは「やりなよ」って言うんだけど「いやタイミングまってあげていいよ」とか「今はやらないだけで次回やるかもしれないしね」って声をかけるようにしてたの。そのお母さんも「こうしなきゃ」ってすごく悩んでたと思う。で、ある日突然その子がやり出した時があって「よかったねタイミングが来たんだね」って話しをしたことがあったのね。そのお母さんに数年前たまたま再会して「あの時教室に行ってよかった。行ってなかったら多分すごい病んでたと思う」って言われたの。あ、私が泣けてきた(笑)

くろだ:嬉しいね

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ヨウコ:だから、やっぱ私はそこだなと思って。子どもに楽しんでもらうのはもちろんなんだけど、お母さんが笑ってたら子どもは楽しいじゃん。

くろだ:そうだね

ヨウコ:あとね、私は必ずどのクラスでも、最後に子どもからお母さんに「今日はこういうことをやったよ」って話をする時間を設けるの。でも、幼稚園児クラスを始めた時に、子どもの話をちゃんと聞かずに「○○ちゃんのとこはすごいねー」って、自分の子より他の子に注目しちゃうお母さんがいて。それを見て、いくら子どもがいいことを覚えて素敵なことをやっても、お母さんがそれを認めてくれなかったら、そのお家ではそれはもうゼロになっちゃうと思ったの。

くろだ:そっか

ヨウコ:だから、どんな思いで活動してるかというと、一つは、お母さんに元気になってほしい。なぜなら、いくら子どもがハッピーでもお母さんが不幸な顔してたら子どもはハッピーじゃなくなっちゃうから。お母さんがいるんだったらお母さんには笑っててほしい。もう一つは、せっかく子どもがいいものを持ってても親次第でそれが無いことになっちゃうから、お母さんたちにも誰かと比べるんじゃなくて、この子はすごいんだっていうことをただただ知ってほしいっていうこと。

くろだ:結局お母さん自身に自信がないと、子どもがやったことも「いやこの子がしたことなんて」ってなっちゃうよね。

ヨウコ:そう、よその子はこうなのにうちの子はなんでこうなんだろうっていう、その気持ちもものすごくわかる。私も、息子の赤ちゃん時代に「なんで私は」とか「いいなみんなは」っていうのは味わったから。

くろだ:私はヨウコちゃんが、子どもが1歳くらいの時にただ観察してたっていうのがやっぱりすごいなって思う。教えたくなっちゃうじゃん。このハサミを持たせたんだからここまでできるようにさせてあげなきゃって。それこそ、みんなできてるんだからとかさ。でも、ヨウコちゃんの関わり方だと、ずっとできないままかもしれないよね。見方によってはずっと不完全。それでも、その子のそのままの姿がおもしろくて素敵だと思えることが、とても素敵だと思う。

ヨウコ:そもそも完全形ってあるの?って思うしね。

くろだ:そうだね。ないものを求めて苦しんでるなっていう自覚はある、私も。

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●番外編●

ヨウコ:なんか、どんなすごいことでもどこかの誰かが作ってるじゃん、同じ人間が作ってるんだよね。別に恐竜とかが作ってるわけじゃない(笑)だからなんでもやれないことはないと思ってて、子どもに対してもそう言ってる。たとえば教室の子がさ「俺にはできない」って言った時に「例えばこのティッシュさ、どこかの会社のどこかの人が作ってるよね。その人さ、今日は頭痛いなとか思って作ってる普通の人かもしれないじゃん。でもみんなの役に立つものを作ってるよね。そういうことできるかもよ」って言う。

くろだ:ヨウコちゃんもヨウコちゃんの話聞いて「それはもう造形作家さんだからでしょ」とか「ヨウコちゃんだからでしょ」って言われることあるよね

ヨウコ:うん。

 

くろだ:でも今の理屈で言うと、できないわけないじゃんてことだよね。全然違う動物じゃないんだからっていう。

ヨウコ:うん。ヨウコちゃんだからだよね、いいよねヨウコちゃんはって、それはほんとによく言われるけど、誰でもできるはずだよって思う。けどそれと同時に、あなたが私になれないように、私もあなたにはなれない。あなたの素晴らしいところを伸ばせばいいんじゃない、とも思うんだよね。

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芸術家でちょっと普通の人とは違うように見えるヨウコちゃんだけど、育児のお悩みはごく普通の一生懸命なお母さんでした。だからみんなの気持ちもよくわかってくれる、頼れる先輩なのだと思います。ヨウコちゃんのお話が、自分自身を楽しむためのヒントになることを願っています。

​くまのわ代表 くろだ

4.ヨウコちゃんの気持ち

もくじ---------------------------------------

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